みなさんの想像する医療のイメージはどのようなものですか。
大きな病院で行われる最先端医療でしょうか、それとも小さな診療所を中心におこなう地域医療でしょうか。
民医連の病院・診療所の一番の特徴は、患者さんや地域の皆さんとの距離感にあります。患者さんや地域の皆さんが気軽に足を運べる医療機関、それが私たち民医連です。
ぜひ、私たちの医療をあなたの目で確かめにきてください。
. オーダーメイドのプログラム
私たちの病院・診療所実習の特徴は、オーダーメイドのプログラムということです。そのため、内容を決めるにあたり、まず医学生の皆さんになにが見たいのかをお聞きします。その上で現場と調整させていただきますので、ぜひ、みなさんの「ここが見たい!」をお寄せください。
. 医師・多職種の動きを追体験!
私たちの実習では、患者さんや職員、医師の近くで体験ができることです。医学部の皆さんは「自分はどんな医療ができるのか」「何がむいているのか」などを考える機会が多いのではないでしょうか。患者さんに向き合い、医師を含むいろんな職員と行動することは、雰囲気や仕事内容に加え、「医療観」を磨く上で非常に重要です。より鮮明に現場を知ることができます。
. 患者さんへのむきあい方を学べます
私たち民医連は“無差別・平等の医療”を掲げ、患者さんの疾患だけでなく、その背景にまでしっかりと寄り添う医療を実践しています。現場に触れ、民医連の医師や看護師がどのような姿勢や考え方で患者さんにむきあい、医療をおこなっているのかを見てください。きっと将来、患者さんにむきあう上での参考になるはずです。
みなさんは病院実習をするとき、テーマをもって望んでいるでしょうか。同じような病院実習でも視点を変えれば、学べることは全く違います。
ここでは、いくつかの視点から実習を紹介します。ぜひとも自分なりのテーマをもって実習に挑んでくださいね。いろんな発見があります。
みなさんは、疾病の原因について深く考えたことはありますか?疾病の原因とは患者さんの抱えている疾病の名前を考えるだけではありません。その人が病気になった理由はなにか?解決にはなにが問題となっているのか?と疑問をもち、家族関係、職場や学校の環境、生育過程、食生活などを含めてぐっと掘り下げていき、患者さんの抱えている疾患の「背景」にある問題を解き明かしていくことが大事になってきます。
大阪民医連には、西淀病院と耳原総合病院という2つの臨床研修指定病院があります。そのため1〜5年目の若い医師が沢山在籍しており、指導医と研修医という関係でベテラン医師やベテラン職員から多くを学んでいます。そうした病院で実際に内科、外科、循環器内科、小児科、救急など、それぞれの研修先で日々奮闘する医師について見学することで、医学的関心が高まる事はもちろん、自らの臨床研修について磨く上で非常に良い機会になります。
大阪民医連には4つの病院に加えて、約50の診療所があります。いずれも地域に根ざして、外来や往診、地域訪問活動を中心にして、看護師、MSW、PT、ケアマネ、事務などの多職種と、地域のひとりひとりの患者さんにより近い距離で医療をおこなっています。職種間の専門分野や行政サービス、地域とのつながりなどを活かし、どのように地域で患者さんをみているのか。病院にいるだけでは知ることの難しい経験だと思います。あなたが医師になったとき、退院のその先まで想像できる力を養うことはとても大切です。
医療には様々な職種が関わっています。国家資格だけでも、医師をはじめとして看護師や薬剤師、救急救命士から言語聴覚士まであります。そうした医師以外の職種の仕事に目を向け、見学する事で他の職業から診た医師の仕事を知るのも良い機会です。例えば、医療ソーシャルワーカ(MSW)はどうでしょうか。仕事内容は所属する機関によっても違いますが、主に社会福祉の視点で、患者さんや家族の方々の相談に乗る事で、経済的・心理的・社会的な悩み等の問題解決のお手伝いをする仕事をしています。そうした相談の中には、「実は医師に言えないんだ」とか、「家に帰っても、栄養ある食事なんてとれないよ」といった多様な質問が持ち込まれます。そんな様々な立場から、医師そして患者さんのことをみて考える経験は、医師になった時に必ずあなたの役に立ちます。
病院で食養科を見学
自転車で地域訪問
患者さんのベッドサイドで診察